ショスタコーヴィチ 交響曲第8番 映画音楽「ゾーヤ」

ショスタコーヴィチ  交響曲第8番
ロストロポーヴィチ指揮  ワシントン・ナショナル交響楽団
バルシャイ指揮 ケルン放送交響楽団
戦争の悲惨さを描くも、あまりにも暗すぎてジダーノフ批判を受けたという作品。
確かに暗いが、ストイックな作風は好感が持てる。こういう精緻な曲作りに触れると、ショスタコーヴィチがモダニズムでも前衛でもない、彼独自の作風を築きつつある気がする。
バルシャイ盤のほうが、この曲の透徹した美しさをよく表現している気がする。

ショスタコーヴィチ  映画音楽「ゾーヤ」
ユロフスキ指揮 ベルリン・ドイツ交響楽団
原作は、コスモデミヤンスカヤ「ゾーヤとシューラ」英雄パルチザン少女ゾーヤの母親による回想記とのこと。
ヴォカリーズによる合唱に始まる、実に優美で真摯な曲ぞろいで、もう映画の内容を超越しで、ショスタコーヴィチはこういう曲を書いていこう、という境地に達したものと見える。これは、失礼な言い方だが「ひろいもの」である。