篠田真由美「永遠なる神の都 神聖都市ローマ」

篠田真由美「永遠なる神の都 神聖都市ローマ」
「龍の黙示録」最終巻は、文庫版上下2冊の大作である。
以前、バチカンのやり方を「宗教にあるまじきやり方である。いいのか(笑)」と書いたが、実はバチカンを裏で操る真の敵がいた、ということで、別にバチカンを擁護するわけではないが、なんとなく一安心(笑)
複数展開は、さらに混沌をまし、主人公と真の敵との対決という軸はあるものの、敵味方入り乱れての一種の群像劇の趣きがあり、圧巻である。
さて、対決の決着はついたが、もうひとつの問題(ネタバレなので書かないが)は解決していない。しかし、読んでいる最中も、その問題はあえて解決してほしくないなあ、と思っていたから、逆にほっとしている。なので、大満足でこのシリーズを読み終えた。続編を望む声もあるとの事だが作者は続編を否定している。それでいいと思う。