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帚木蓬生「聖灰の暗号」

ミステリー 歴史

帚木蓬生「聖灰の暗号」
先日「カタリ派」についてちらっと書いたが
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2014/07/11
ちょっと興味をもったのでいろいろと調べていたらこの本にいきあたった。カタリ派の古文書にまつわるミステリーである。
カタリ派に対する大虐殺と言ってもいい弾圧は、カトリック側からしてみれば、あまり表ざたにはしたくない汚点であろうことは想像がつく。なのでその発見はある方面からは望ましくない、という流れ。
ミステリーと書いたが、ミステリーとしては読者の想像を越えないおとなしいもので、この作品の主眼は(架空とは言え)発見された古文書の内容にある。そういう意味では良質の「知的読み物」と言った方がしっくりする。
しかし、私のように宗教、キリスト教、それも異端とされるグノーシス派等、そっち方面の知識や興味があれば別だが、普通の人がこれを読むのは少々敷居が高いのでは、等と思うのだが、それでも万人に一度は目を通すことを望みたくなる作品。
帚木蓬生は今まで読んだことがなかったが「閉鎖病棟」で有名。「聖灰の暗号」は構想30年の力作とのこと。