フルトヴェングラーの「田園」

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
フルトヴェングラー指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1944)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1947)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1952)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1954)
先日の「トリスタン」「マイスタージンガー」のカップリングが(というかワーグナーの方がカップリングなのだが)1944年の「田園」だった(CDには1943年とあるが、ネット情報を信用する)以前にも書いたが「田園」はあまり自分から聴くことはないのだが、集めようとしなくてもBOXやら買ってゆくとたまってゆく(笑)上記の1947 1954 のBPOはRIASBOX、1952 VPOは EMIBOXである。なので、せっかくだから聴き比べてみる。
で、1944年盤を聴いて、いきなり自分の誤解を思い知らされた。
私は「この曲は情景描写の標題音楽だ」という思い込みがあった。自分から進んで聴かない、というのはそういうわけだった。
しかし、フルトヴェングラーの指揮で聴いて、実はこの曲は、絶対音楽として非常によく出来た曲なのだ、という事を知ったのだった(遅すぎてすいません)
また、フルトヴェングラーお得意の激しさもあるが、全体に非常に柔らかい耳触りの演奏だったのも新鮮だった。
1947年盤は基本的な印象は変わらないので、音が良い分、分がいいかもしれない。
1952年盤は、お馴染みのオフィシャルである。テンポの変化の少ない、丁寧で巨大な演奏、音も抜群にいいのだが、1943年盤、1947年盤のチャーミングさが無いのが寂しい。
1954年盤は踏みしめるような演奏、晩年の枯れた境地と言える。
この4種の演奏は、四者四様にどれも魅力的だが、個人的には1947年盤、次いで1944年盤を取りたい。
ちなみにフルトヴェングラーの「田園」は以下の録音がある。
VPO 1943
BPO 1944(上記)
BPO 1947(上記)
ROMA RAI 1952
VPO 1952(スタジオ)(上記)
BPO 1954.5.15
BPO 1957.5.23(上記)