ハイドン「驚愕」その2

ハイドン  交響曲第94番「驚愕」
ビーチャム指揮 ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団(1957、58)
我々が「びっくり交響曲」としてイメージする曲に最も近い演奏であろう。「びっくり」の一打の前が思いっきりピアニシモになっている。しかしその分姑息な感じがするし一打のテヌートも長すぎか。

ハイドン  交響曲第94番「驚愕」
クイケン指揮 ラ・プティット・バンド(1992)
以前、古楽器にしては表情付けが過ぎるか、と別曲で書いたが、こちらはかなりすっきりした演奏で、いかにも古楽器的な好演。

ハイドン  交響曲第94番「驚愕」
フィッシャー指揮 オーストリアハンガリーハイドン管弦楽団(1988 1989)
ハイドン・エディションの交響曲全集は、ネット上でも評判のいいアダム・フィッシャー指揮が収録されている。実は最初、フィッシャーの交響曲全集を考えていたのだが、それを含むエディションBOXが枚数に比して廉価だったので、思い切ってこちらを買った次第。1番から聴くつもりだがせっかく「驚愕」を聴いてきたのでまずはその「驚愕」を聴いてみる。
最初はいかにもすっきりした古楽器演奏かと思いながら聴いてたいたら、メヌエットがクナばりに遅く、グロテスクなほどに表情付けがある。通常のオケでこれをやられると興ざめなのだが、古楽器であえてここまでやる、ということに、いい意味で「この指揮者、油断がならないな」等とにやついてしまった。他の曲もなんかしかけがあるのか、と楽しみになってしまう。