ハイドン「朝」「昼」「夕」

ハイドン
交響曲第6番「朝」
交響曲第7番「昼」
交響曲第8番「夕」
アダム・フィッシャー指揮 オーストリアハンガリーハイドン管弦楽団(1989)
晴れてエステルハージ侯の楽団の副楽長に就任したハイドンが、早速エステルハージ侯の依頼のもと作曲した作品。ハイドン交響曲のタイトルはニックネームがほとんどだと書いたが、こちらはエステルハージ侯の指定の3部作のようだ。きっちりと「朝」「昼」「夕」のタイトルと内容まで指定したのかはわからないが「情景描写の3部作の依頼」までは確かとの事。
この依頼に対して、就任したてのオーケストラの腕自慢の演奏家たちの妙技をフューチャーした(バロックにおける)「合奏協奏曲」の形式で書いた、というところが、ハイドンのうまいところ(世渡りのうまさ、とまではいいたくないが)就任したての新しい副楽長によいしょされてよろこばない楽団員はいなかったろうし、音楽好きで知られたエステルハージ侯も自分のオケを自慢していただろうから悪い気はしなかったはずだ。
さて、表題音楽であるから情景描写的部分もあるにはあるが、それよりも意外と言っては何だが、実に抒情的で気持ちのいい曲群である。若き日のハイドンも全然悪くないではないか。