杉浦日向子「大江戸観光」

杉浦日向子「大江戸観光」
杉浦日向子の作品は、入手できるものは入手してきたつもりだったが、古本屋でこれを見つけて「え?こんなのあったっけ」と慌てて購入した。
1980年代のエッセイを集めたもので、ほぼ同年代の私には、ちらちら入る当時の世相も懐かしい。(亡くなった団十郎の襲名披露中であるとか、世紀末についてとか)
杉浦さんは、江戸時代に生きていた前世を覚えていたのだけれど、この20代の時期はまだカミングアウト前なので、なぜ江戸が好きか、という理由も、奥歯に物がはさまった感じなのが微笑ましい。