ハイドン 交響曲第61番~第63番

ハイドン
交響曲第61番
交響曲第62番
交響曲第63番「ラ・ロクスラーヌ」
フィッシャー指揮 オーストリアハンガリーハイドン管弦楽団(1996 1997)
61番は、第1楽章がシンコペを伴った激しい曲だが、ブリッジで突然弱奏になったり、半音階上昇のメロディがあったりと、プレ・ベートーヴェン、プレ・モーツァルトの趣あり。しっとりとしたアダージョメヌエットの範疇に収まりきらないメヌエット諧謔的な速めの3拍子のフィナーレ、とかなり聴き応えがある。
62番は、チャーミングなメヌエットと分散和音的な主題を持つフィナーレが印象深い。

63番のニックネームである「ロクスラーヌ」は、オスマン帝国のスレイマン1世の后ロクセラーナの事で、ヨーロッパでは絵画や小説の題材として有名な人物らしい。他の自作からの流用が多い、いわゆるパスティッチョ交響曲とのこと。
全体にドラマティックで聴き応えがあるが、その名前の元となった第2楽章(「ソリマン2世、あるいは3人のスルタンの妻」の劇音楽から転用)が白眉の出来。

 

第63番「ラ・ロクスラーヌ」