内田康夫「死者の木霊」

内田康夫「死者の木霊」(1980)
先日、こんな事を書いたのだが
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2015/03/10
やっと初期作品に着手することができた。コピーライター等をしていた作者が自費出版したというデビュー作である。
探偵役は「信濃コロンボ」こと竹村警部(この事件当時は巡査部長だが、事件解決により2階級特進)後に「岡部警部シリーズ」を担う岡部警部も竹村警部の協力者として顔を出す。
始めは地味なミステリーだな、と思いながら読んでいたが、中間部あたりから展開がドラマティックになり、後の旅情シリーズの萌芽も垣間見え、まさに内田康夫のルーツ的力作と言える。ミステリーの構成のしかたは、この後もあまり変化が無いような印象を受ける。