カイルベルトの「ラインの黄金」(1955)

ワーグナーラインの黄金
ヨゼフ・カイルベルト指揮  バイロイト祝祭管弦楽団(1955)
ヴォータン:ハンス・ホッター
アルベリヒ:グスタフ・ナイトリンガー
ローゲ:ルドルフ・ルスティヒ
ファーゾルト:ルートヴィヒ・ヴェーバー
ファーフナー:ヨーゼフ・グラインドル
フリッカ:ゲオルギーネ・フォン・ミリンコヴィツ
ヴォークリンデ:ユッタ・ヴルピウス
ヴェルグンデ:エリーザベト・シャーテル
フロースヒルデ:マリア・グラーフ
フライア:ヘルタ・ヴィルファート
ミーメ:パウル・クーエン

序奏のコントラバスが地鳴りのようである!「音が良い、音が良い」とは聞いていたが、ここまで良いとは思わなかった。各楽器がきちんと分離しているので、ああ、なるほど楽譜上ではこうなのだな、と良くわかるし、歌もしっかり録れている。オケの中と舞台上に自分がいるかのうようである。ショルティ盤が不要になった、という意見にもうなずける。
カイルベルトの指揮は、奇をてらう事の無い正攻法で、このオペラの速めのテンポとしての理想的演奏かもしれない。
カイルベルトは当時アメリカで活躍していた、と書いた事があったが
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2010/12/17
こういう単純明快さが、当時のアメリカではうけてたんだろうな。
しかし、である。「ラインの黄金」が良くて、その後段々に尻すぼみ・・・・というパターンもあるので油断はできない(笑)
歌手陣は、1950年代のバイロイトの「指環」を今まで聴いてきている身にとってはお馴染みのメンバーで、今さら何を言わんか、という間然するところの無い出来。