チャイコフスキー 初期の管弦楽作品

チャイコフスキー
序曲「嵐」ロジェストヴェンスキー指揮 ロンドン交響楽団(1987)
幻想曲(交響詩)「運命」ガウク指揮、大交響楽団(1948)
幻想序曲「ロメオとジュリエットテミルカーノフ指揮、キーロフ歌劇場管弦楽団(?)

チャイコフスキー・エディションである。
先に交響曲1番から聴いてしまったが、今までの他の作曲家同様、作曲順に聴いてゆく。

序曲「嵐」は、
「ロシア演劇の父とも言われているアレクサンドル・オストロフスキーの戯曲「嵐」に基づいて書かれた管弦楽曲(ネット情報)」
とのことで22歳の時の作品。
タイトルどおりドラマティックな作品だが、激しい部分の合間合間に、のちの「くるみ割り人形」にも通じる「愛らしさ」が顔をみせる。

26歳時の交響曲第1番を挟んで、幻想曲(交響詩)「運命」は「人と運命(宿命)との葛藤」をテーマに書かれた28歳の時の作品。これもタイトル通りドラマティックな作品だが、ネット評にもあったがやや冗長、かつくどい。本人がスコアを廃棄した、という話も残っているのもむべなるかな。

幻想序曲「ロメオとジュリエット」は、文字通り「ロメオとジュリエット」をテーマにした29歳の時の作品で「チャイコフスキーの最初の傑作という声も多い(ウィキペディア)」とのこと。
確かに今までの曲にあったような気負いが取れ、彼の持っている抒情性やロマンティシズムが素直に、かつコンパクトに表現されているような気がする。しかし、のちの傑作群のように、この曲はこのメロディ!といった域にはまだ達していない。