アンドレーエのブルックナー 交響曲第3番

ブルックナー 交響曲第3番(改訂版)
アンドレーエ指揮 ウィーン交響楽団(1953)
というわけで、アンドレーエの世界初のブルックナー交響曲全集である。
録音年である1953年というのは微妙な時期で、ノヴァーク版は勿論存在せず、ハース版もすべてがそろっていたわけではない。よって、この時期にブルックナー交響曲全集を録音しようとすると、どうしても、改訂版とハース版、そして、初めから改定がなかった曲の原典版の混淆ということになる。
なので、この3番もクナッパーツブッシュ等と同様に第3版を元にした改訂版である。
ネットではベートーヴェン的という評価があったが、質実剛健、第1楽章の導入部が若干もっさりしている以外は、かの珍しく速めの演奏であろうクナッパーツブッシュの1954年版より速い。若干のテンポの変化とためがあるが、他の演奏なら許されないところだが、質実剛健さが好ましいので、許容範囲にとどまっている、としておこう。