ラフマニノフ 歌劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」

ノセダ指揮 BBCフィルハーモニー管弦楽団(2007)
スヴェトラ・ヴァシレヴァ (ソプラノ)
ミッシャ・ディディク (テノール)
セルゲイ・ムルザエフ (バリトン)
ゲンナジー・ベズベンコフ (バス)
エフゲニー・アキーモフ (テノール)

ラフマニノフの「フランチェスカ・ダ・リミニ」は、ラフマニノフの他のオペラ(アレコ等)と同様、1時間ほどのコンパクトなオペラで、ザンドナーイの同名オペラよりダンテの「神曲」に近い内容になっている。
つまり、
地獄を案内されていたダンテががフランチェスカとパオロに会う。
そこから回想的に、二人が殺されるまでのいきさつが演じられる。
情景は地獄に戻って、ダンテはその後の二人の運命を知らされる。
といった三つの部分からなる。

おどろおどろしい対位法的前奏曲と、徐々にそれに絡んでくるヴォカリーズが印象深い。地獄の責め苦を受ける人々の声なのか、地獄の場面では常にこのヴォカリーズが背景にあって効果を上げている。
やはり「グィネヴィアとランスロット」が出てくるが(パオロが朗読する)殺される寸前の愛の二重唱のクライマックスはなかなかに感動的。
こうなると、ラフマニノフのオペラを全部聴きたくなるな。残りは「けちな騎士」(タイトルに反して悲劇とのこと)のみ。