「石の記憶」 高橋克彦

「石の記憶」 高橋克彦

昨年末にすでに買っていたのだが、やっと読む気になって読みおえた。
「石の記憶」という中編と、高橋克彦名義の文庫未収録短編を集めた作品(数種のアンソロジーに収録された短編を含む)
元々は長期連載の第1話として1995年に執筆されながら、掲載紙の廃刊により宙に浮いてしまい、中途半端な長さの為に今まで文庫に収録されなかった「石の記憶」は、場所や物に刻み込まれた過去の記憶を読み取ることのできる超能力者と作家のコンビが、日本各地を巡るという、中断するにはもったいないテーマを持った作品。再度、この続きに挑戦してほしいのだが・・・
で「石の記憶」の舞台は大湯のストーンサークルで、縄文時代十和田湖の噴火の物語。基本設定は「竜の柩」と同じなのも、高橋克彦ファンにはうれしい。何より最後の最後で、是川の名が出てくるのが八戸在住の人間としてはさらにうれしい。