クレンペラーのワーグナー「さまよえるオランダ人」

ワーグナーさまよえるオランダ人
クレンペラー指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1968)
テオ・アダム:オランダ人
アニヤ・シリア:ゼンタ
マルッティ・タルヴェラ:ダーラント船長
エルンスト・コツープ:エリック
ゲルハルト・ウンガー:舵取り
アンネリース・ブルマイスター:マリー
EMI ワーグナー オペラ・ボックスである。
クレンペラー唯一のワーグナーの全曲盤である。
本来1幕ものとして作曲されたが劇場の関係で3幕に改定されたドレスデン版(救済無しの3幕仕立て)かつクレンペラー独自の編曲があるという。
音作りは、クレンペラーらしく小細工の無い骨太なもので、これはこれであり。
歌手陣は間然することろが無いが、以前ベームの指環で書いたように
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2016/06/09/044335
テオ・アダムという人は、個人的ににはリートかオラトリオならいいかもしれないが、どうもオペラだとしっくりこないなあ。
ゼンタはかのサヴァリッシュ盤から7年後のアニヤ・シリアで、さすがにサヴァリッシュ盤のような鮮烈さは幾分弱まってしまった。この録音だけを聴く分にはすばらしいゼンタなのだが、サヴァリッシュ盤を聴いた身としては、やはり物足りなく感じてしまう。
この演奏を聴くと、クレンペラーに「指環」全曲の録音を残してほしかったなあ、と切実に思う。
ワルキューレ」第1幕については、こちら。
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20101028/p1