おんな城主直虎 吹越満と高橋一生の話

最近気づいたことがある。
前提として、吹越満高橋一生小野政直小野政次という親子の役で、今川家よりの目付という井伊家にとっては獅子身中の虫でありながら、自分は一切悪いことはしていない、としれっとした顔をしなければならない役どころである。
そして、柴咲コウの直虎、井伊直親三浦春馬高橋一生小野政次は幼馴染、ということで気心も知れていて思いは井伊家にあるので、幼いころは父に対する反発心を隠しながら成長してきている。
しかしそれをさすがに父政直は見抜いている。彼はドラマの早い段階で病死するのだが、その前に成長した息子政次に対し
「己はこうはならぬ、と。わしをずっと蔑んでおる」
「じゃがな、お前は必ずわしと同じ道をたどるぞ」
と言い放つ。
そして今、まさに父と同じ道をたどっている政次なのであるが、時折父政直を演じた吹越満と同じ表情の作り方をしているのである。
つまり、それで、先ほどのセリフが伏線として生きてきているのである。そこまで考えていて演技をしているのなら高橋一生恐るべし!
史実上、もうそろそろ小野政次は死んでしまうはずだ。それは絶対動かせないのであるが、やはり寂しい。