ミュンシュのベルリオーズ「ファウストの劫罰」

ベルリオーズファウストの劫罰
ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団(1954)
ハーヴァード・グリー・クラブ、ラドクリフ合唱協会(合唱指揮:G.ウォーレス・ウッドワース)
シュザンヌ・ダンコ(S)
デイヴォッド・ポレリ(T)
マルシアル・サンゲル(Br)
ドナルド・グラム(Bs)
マッケンリー・ボートライト(Bs)

当初、こんなにもベルリオーズを聴くつもりではなかった。この「ファウストの劫罰」もプレートル盤のみのはずであった。なぜプレートル盤にしたかというと、例の「オペラ名作名演全集」は一つのオペラに付き二人がそれぞれの推薦版を挙げているのだが、片方がプレートル盤、片方がミュンシュ盤だった。しかしミュンシュ盤がモノラルだったためにプレートル盤を選択したのだ。
しかし、これだけ「ファウストの劫罰」が気に入って各種の録音を聴いてきたのだから、もうモノラルだからと言ってミュンシュ盤を聴かずにはおれなくなった。
で、聴いてみると、いかにもミュンシュらしい怒涛のロマンティシズムで、これもけだし名演であろう。モノラルの末期だけあって、エーリッヒ・クライバーの「ばらの騎士」同様、ステレオに比してもほとんど遜色ない録音の良さだ。モノラルだから、と買い控えていた人がいたら、是非買うべき。
ただし、歌手陣の歌唱が古臭いく時折迫力不足になるのが物足りないと言えば物足りない。