フルトヴェングラーの ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

ワーグナーニュルンベルクのマイスタージンガー」(モノラル)
フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団(1943)
ヤーロ・プロハスカ(ザックス)
マックス・ローレンツ(ヴァルター)
マリア・ミュラー(エーファ)
オイゲン・フックス(ベックメッサー
エーリヒ・ツィンマーマン (ダーヴィト)
カミラ・カラープ(マグダレーネ)
ヨゼフ・グラインドル(ポーグナー
エーリッヒ・ピーナ(夜警)
ほか
そういえばフルトヴェングラーの「マイスタージンガー」を聴いたことがなかった、と思いつき、調べたら入手しやすい値段で出品されていたので、買ってしまった。戦時中のバイロイト音楽祭の録音である。
第1幕への前奏曲が音が悪く、このまま続くときついな、と思ったが本編に入るとかなり持ち直したのでほっとする。
しかし、残念な事に第1幕冒頭の三重唱と肝とも言うべき第3幕の五重唱でこれはかなり痛手。
演奏であるが、今までマイスタジンガーをいろいろ聴いてきて、ヴァルヴィーゾやらカラヤンやら名盤はあるものの、やはりクナッパーツブッシュの自然な息遣いの音楽が一番かな・・・・と思っていたのだが、これはすごい。激しさと自然さが一体となっている驚異的な演奏である。第3幕への前奏曲から受ける感動は、これまで聴いた中でもトップクラスである。
ザックスのプロハスカは個人的には泣き節が過ぎる気がする。ローレンツも同様にヴァルターにしては激しすぎるか。
1943年なのにポーグナーがクラインドル?と思ったら、31歳のバイロイトデビューとの事。こんな早くからバイロイトで第一線で歌っていたのだ。すごいな。31歳なら無理かと思うが、こちらがザックスでもよかった気がする。
他は夜警がが弱いほかは間然するところがない。
しかし、返す返すも欠落部分が惜しい。ネットによると一時期完全なテープが発見されたというニュースがあったらしいが、その後の音沙汰がないとの事。なんとかならんものか。