グノー「聖チェチーリアのための荘厳ミサ」

グノー「聖チェチーリア(ツェツィーリア)のための荘厳ミサ」
ハルトマン指揮 パリ音楽院管弦楽団(1963)
ピラール・ローレンガー(ソプラノ)
ハインツ・ホッペ(テノール
フランツ・クラス(バス)
ルネ・デュクロ合唱団

ザ・グノー・エディションである。以前「聴きたくなる」と書いた
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2019/01/25/045325
待望の宗教音楽である。
その時に

「オペラ名作名演全集」によると、オペラの世界では必ずしも成功せず(っていうのもびっくりだが)宗教音楽に閉じこもって傑作を残した、とある

と書いたのだが、その後いろいろと調べてみて、グノーは「ファウスト」以前のオペラが成功せず、その間に宗教音楽や交響曲2曲の名作を残している、という意味合いで「オペラ名作名演全集」の文章は書かれたような気がしてきた。実際にこのBOXに収録されている宗教曲や交響曲は1854~1856年の作品で「ファウスト」で成功を収める納めるのが1959年だからだ。
前置きが長くなったが、聖チェチーリアとは古代ローマ(約2世紀頃)の、キリスト教徒として殉教した貴族の少女(ウィキペディアでは聖セシリア表記)の名前、グノーの最初の成功作品らしい。
音楽的には、もうこれはロマン派ではなく、プレ近代フランス音楽と言ってもいい。フォーレあたりの先駆と言える。
フランス独特のリリシズムによる宗教音楽はやはり独特で、これははまるな。