シベリウス 歌劇「塔の中の乙女」

シベリウス 歌劇「塔の中の乙女」
パーヴォ・ヤルヴィ指揮 エストニア国立交響楽団(2001)
乙女 : ソルヴェイグ・クリンゲルボーン(ソプラノ)
恋人 : ラース・エリック・イェンソン(テノール)
農場主夫人 : リリ・パーシキヴィ(メッゾ・ソプラノ)
農場主 : ギャリー・マギー(バリトン)
エストニア国立男声合唱、団エッレルヘイン少女合唱団

シベリウスのオペラの録音があったとは知らなかった(っていうか、父のネーメ・ヤルヴィの録音もあった)
若き日のシベリウスワーグナーに触れてオペラ歌手を目指し「カレワラ」のオペラ化を試みるも、才能の方向の違いに気づき、その際作曲された素材をさまざまな交響詩に使用した、というのはよく知られた話であるが、オペラを作曲していたとは。
シベリウスがまだ「フィンランディア」も交響曲も書く前、31歳の時の作品であるが、海外ウィキペディアによると、ヘルシンキフィルハーモニー協会のための資金調達コンサートのための曲のようで、台本がトホホらしいが、たぶんその頃はそこに文句を言える立場になかったであろうシベリウスが、かなり苦戦した、との情報もある。作品番号が付いていないのもそこらへんの事情からかもしれない。
前置きが長くなったが、35分程度のこの作品、音楽的にはまったく悪くない。もちろんその後の作品とは比べるべくもないが、シベリウス的特徴がそこここに見られ、ファンとしては嬉しい作品である。