サロネンのシベリウス クレルヴォ交響曲第1楽章

シベリウス クレルヴォ交響曲
エサ=ペッカ・サロネン指揮 ロスアンジェルス・フィルハーモニック(1992)

 

エサ=ペッカ・サロネンシベリウス交響曲第5番やら管弦楽集やらレンミンカイネン組曲やらを実は聴いていたのだが、私が否定してきた「効果を狙ったシベリウス」のようでありながら、それだけでは語り切れない何かがあり、それがよくわからなかったので、今まで感想を書かずにいた。
そしてクレルヴォ交響曲を聴いてみて、まるでこの曲を初めて聴いたかのような新鮮さを感じた。
どういうことか、と思ってベルグルンド盤、ヴァンスカ盤と第1楽章だけではあるが聴き比べしてみた。
この第1楽章の主題は息が長いのだが、ベルグルンド盤は伴奏に溶け込む感じ、ヴァンスカ盤は息の長い旋律線を、あたかも別個の旋律がかわるがわる現れるような解釈、そしてサロネン盤はあくまでも1つの旋律線として前面に押し出す音作りで、これが実に気持ちいい。(特に再現部)なので、特にヴァンスカ盤とサロネン盤では、かなり印象が違う。
ヴァンスカの解釈もわかるが、まず最初にこの曲の魅力を知るためにはサロネン盤の方が最適だとおもう。
第2楽章以降も3種のクレルヴォを聴き込んでいかねば。