ヘンデル オラトリオ「セメレ」

ヘンデル オラトリオ「セメレ」

ヨハネス・ソマリー指揮 イギリス室内管弦楽団(1973)
シェイラ・アームストロング(S)
フェリシティ・パーマー(Ms)
ヘレン・ワッツ(A)
マーク・デラー(CT)
ロバート・ティアー(T)
エドガー・フリート(T)
ジュスティーノ・ディアズ(Bs)
ネイルソン・テイラー(Bs)
ハロルド・レスター(Cemb,Org)


ヘンデルの追加購入シリーズであるが、「セメレ」は「聖書以外の題材が珍しい」と書いたのだが

http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2020/03/25/060022

直接的にはオウィディウスの「変身物語」なのだが、その元はギリシャ神話である。
ギリシャ神話あるあるであるが、まあ、神々の自分勝手で人間がひどい目に合う話だ。
簡単に言うと、相手は神々であろうと人間であろうと、とにかく手当たり次第に口説いてまわるゼウスの子を身ごもったセメレは、ゼウスの正妻の嫉妬による奸計により、ゼウスに真の姿を見せるよう誓わせるように助言される。ゼウスは本来雷神なので、神々ならまだしも、真の姿で人間に会いまみえると当然人間は焼死してしまう。しかし、お腹の子供は生きていてのちにディオニューソスローマ神話におけるバッカス、すなわちワインの神)になりしたとさ、めでたしめでたし・・・・ってどこがめでたいねん。
しかし、音楽的には非常にドラマティックで極上!現代ではオペラ形式の上演もある、というのもうなづける。
余談だが、ジュピター(ゼウス)役のロバート・ティアーが、私の大好きなアントン・デルモータに歌い方や声質が似ている。当ブログ内で検索してみたら、ディーリアス、ワーグナー等、けっこう今までも耳にしているはずであったが、似ている事に気が付かなかったなあ。