コロシアム・ファースト・アルバム "Those Who Are About To Die Salute You"(1969)

1stから順番に一気に聴くつもりであったコロシアムであるが、2ndがなかなか届かないので我慢できずに1stを聴いてしまう。この段階ではジャズ色、サイケ色のあるけたたましいブルース・ロックである。
そんな中、G線上のアリアをはじめとするバッハの何曲かのコード進行を使用した"Beware The Ides Of March"も面白かったが、日本音階を利用した"Mandarin"にはびっくりした。最初信じられなくで偶然かと思ったのだが、オリジナル・スリーブの文章にちゃんと"Japanese soft scale"とある。この時代、インド音楽に影響を受けたバンドや曲はかなりあったが、まさか日本音階を使用していたバンドがあったとは驚きである。
ネット上ではボーカル&ギターのジェイムス・リザーランドとベースのトニー・リーヴスの力量が足りないという声があるが、それは結果的にコロシアムがけたたましいジャズロックバンドに進化した後の眼から見ての事で、単純に方向性の違いだと思う。
ジェイムス・リザーランドは速弾きをあまりしないチョーキング多用のいかにもブルース・ロックのギタリストであり、この時期はブルース・ロック色が強いのでなんら問題もはないと思う。
トニー・リーヴスも同様に、サイケ系、プログレ系のベースに聴こえる。脱退後はコロシアムの同僚であるキーボードのデイヴ・グリーンスレイドとプログレ・バンド「グリーンスレイド」を結成しているし、カーヴド・エアにも参加している。何より上記の日本音階使用のアイデアは彼のものである。
なので、コロシアム・ライブの方向へバンドが変化して行くうちに方向性の違いを感じて二人は脱退したのだと思う。
ちなみに「グリーンスレイド」は名前は知っていたが聴いたことは無かったが、俄然興味が湧いてきたな。