ミステリー
内田康夫「夏泊殺人岬」内田康夫の10作目にしてノンシリーズの作品である。夏泊と言えば、20年以上前に、単に車で一回りしただけで、いつかゆっくり訪れてみたいとはおもっているのだが、いつになることやら。「遠野殺人事件」についてちゃんと書いてい…
内田康夫「赤い雲伝説殺人事件」内田康夫の9作目、浅見光彦3度目の登場にして「浅見光彦シリーズ」の第1作である。これまでの作品に比して、いい意味で文体が軽くなっておりサクサク読み進める。ここらへんで彼の後期に見られるスタイルが完成したか。本…
内田康夫「平家伝説殺人事件」内田康夫第5作にして「浅見光彦」再登場の作品である。この作品をあえて「浅見光彦シリーズ」と呼ばないのは「後鳥羽伝説殺人事件」で書いたように、作者は浅見光彦をこの作品までしか登場させないつもりだったからである。そ…
内田康夫「後鳥羽伝説殺人事件」内田康夫の第3作目にして「浅見光彦」初登場作品である。ウィキペディア等では「浅見光彦シリーズ第一弾」としているが、作者は当初「平家伝説殺人事件」までの2作で浅見光彦の登場を終えるつもりで書いていて、編集者や読…
内田康夫「死者の木霊」(1980)先日、こんな事を書いたのだがhttp://hakuasin.hatenablog.com/entries/2015/03/10やっと初期作品に着手することができた。コピーライター等をしていた作者が自費出版したというデビュー作である。探偵役は「信濃のコロンボ」…
浅見光彦シリーズと内田康夫たまたま気が向いて「浅見光彦シリーズ」の漫画化のコンビニ本を買って読んでみたのだが、何か違和感を感じた。というのも、シリーズが安定してくると、浅見光彦の恋は、読んでる方も絶対に成就しない、という前提で読んでいるし…
山本周五郎探偵小説全集 第一巻 少年探偵・春田龍介以前紹介した「山本周五郎探偵小説全集」をやっと読み始める。http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2014/12/21少年探偵・春田龍介を主人公とするシリーズとノンシリーズ数作を収録。戦前の少年少女向け…
内田康夫「怪談の道」内田康夫の浅見光彦シリーズは、気になる作品があったら手に取る程度になっていたがhttp://hakuasin.hatenablog.com/entries/2005/08/24http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2010/09/29書店で、去年集中して読んだ小泉八雲が絡むと…
山本周五郎探偵小説全集先週末に古本屋で見かけてびっくりした、こんな本が出ていたとは!分厚いハードカーバーで別巻を含めて全7巻、古本にしても買うのがためらわれる値段。いつか文庫にならんかな・・・と1週間悩んだ末に結局購入(笑)別巻が無かった…
鯨統一郎「笑う忠臣蔵:女子大生桜川東子の推理」以前触れた「桜川東子シリーズ」の「笑う娘道成寺」がタイトルを変えて文庫化された。http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2014/06/21このシリーズはさまざまな物語に対する新解釈がひとつの売りだが、今…
帚木蓬生「聖灰の暗号」先日「カタリ派」についてちらっと書いたがhttp://hakuasin.hatenablog.com/entries/2014/07/11ちょっと興味をもったのでいろいろと調べていたらこの本にいきあたった。カタリ派の古文書にまつわるミステリーである。カタリ派に対する…
北森鴻 浅野里沙子「邪馬台 蓮丈那智フィールドファイル」先日書店で見つけてびっくりして買ってしまった。北森鴻が早世したのは2010年で、こんな事を書いた。http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2010/01/27その連載中だったのが「蓮丈那智フィールドフ…
本日仕事です。 鯨統一郎「すべての美人は名探偵である」「堀アンナの事件簿」をきっかけに、買ったままだった鯨統一郎を読む事にする。鯨統一郎の2大シリーズのヒロインが競演し、日本史をひっくり返すという「ずいずいずっころばし」の謎とそれに絡む殺人…
鯨統一郎「堀アンナの事件簿」「堀アンナの事件簿2」音楽でも本でも、一人の作曲家や作家を集中して読む傾向にある。なので、鯨統一郎も一時期集中して読んだが、その後は書店で見かけるたびに気になるものは買ってはいたが未読のものが何冊かあった。しか…
北村薫「街の灯」(2003)北村薫の「ベッキーさん」シリーズ第1作である。何も知らない頃はシリーズ名からユーモア・ミステリーかしら等と思っていたが、全く違った。昭和初期、士族のお抱え運転手(当時としては珍しい若き女性)がベッキーさんなのだが、…
北村薫「ミステリ十二か月」新聞に週一で1年間連載された、挿画を含めて文庫版でも見開き2ページ分の短い「子供向けの古今東西のミステリ紹介」エッセイと、その裏話、そしてその挿画(これがまた凝っている)を担当した版画家、さらに有栖川 有栖との連載…
北村薫 「覆面作家は二人いる」(1991)「覆面作家の愛の歌」(1995)「覆面作家の夢の家」(1997)「円紫さんと私」シリーズに続く「覆面作家」シリーズである。「円紫さんと私」同様、高野文子のカバーや挿画がうれしい。深窓の令嬢が探偵、というパターン…
北村薫「朝霧」(1998)「円紫さんと私シリーズ第5作は、また中編集(3作)の体裁に戻っている。私は最初作者は「円紫さんと私シリーズ」は前作で終わらせるつもりだった、と思っていた。それまで「私」の時系列に合わせて1年に1作のペースだったこのシ…
北村薫「六の宮の姫君」(1992)以前にも書いたが、もしかしたら私が初めて読む北村薫作品であったかもしれない「円紫さんと私シリーズ」第4作である。番外編と見る向きもあるが、これはシリーズのクライマックスであろう。なぜならば解説によると「私」が…
北村薫「夜の蝉」(1990)「円紫さんと私シリーズ」第2作は3編の中編を収録。相変わらずストーリーがあるような無いような、たんたんとした物語が、最後には実はすべてが伏線であるとわかる瞬間の醍醐味はこの上ない。(この作品だけ読むにはなんの問題も…
北村薫「空飛ぶ馬」(1989)私はせっかちである(笑)なので、ミステリーやSFは、ぱっと読んでストーリーがわかるものが読みやすい。勿論ミステリーでもSFでも、じっくり読まなければならない作品があるので、そういう時は腰を落ち着けて読むようにして…
北村薫について北村薫という人は、以前から気になっていたのだが、読むタイミングが無かった。山岸凉子に芥川龍之介の「六の宮の姫君」をモチーフにした「朱雀門」という作品があるのだが、それを読んだ頃に北村薫の「六の宮の姫君」を書店で見つけた。カバ…
邦光史郎「幻の銅鐸」(1984)それまでは1年に1、2作のペースだった「幻シリーズ」も一息ついたのか、前作から6年あいている。そういえば、銅鐸というものを初めて知った時、それが日本史の中にまったく記載されていない謎の存在だと知ってびっくりした…
邦光史郎「幻の法隆寺」(1977)歴史は勝者が作る。ゆえに敗者について書かれた歴史的記述は、眉に唾をつけて読まなければならない。聖徳太子の時代は、蘇我氏、そして聖徳太子自身についても、この作品で指摘されている通り歴史的記述には矛盾が多い。(物…
邦光史郎「幻の騎馬王朝」(1976)次々の変死をとげる「語り部」達、という展開に魅かれて読み進めても、いったいどういう落としどころがあるのかわからなくなってきたのだが、終わってみればすべての伏線が見事に統合されていて、これはかなり読み応えのあ…
邦光史郎「幻の近江京」(1974)幻シリーズ第2作である。前作では傲岸不遜の女嫌いの中年探偵神原東洋が、親子ほども違う年頃の女性に恋をしたせいか若干性格が丸くなっているのが微笑ましい。天智天皇の近江京の場所が特定されていないということを、寡聞…
邦光史郎の「幻シリーズ」古本屋でたまたま見つけたのだが、いわゆる歴史ミステリーシリーズで、寡聞ながら知らなかった。さまざまなジャンルを書いている作家だが「幻シリーズ」はほぼ1970年代の作品なので、ちょうど私が歴史ミステリー等を読みだした頃と…
ジョン・ディクスン・カー「カー短編全集6:ヴァンパイアの塔」こちらもグリーン氏編集によるラジオドラマ集"The Dead Sleep Lightly"(グリーン氏による長い解説付き)に、短編「刑事の休日」を加え、さらにマジックとミステリー評論の大家、松田道弘の「…
ジョン・ディクスン・カー「カー短編全集5:黒い塔の恐怖」引き続きカー研究家グリーン氏の"The Door to Doom"から、ラジオドラマの続き、オカルト色のある短編、ホームズ・パロディ、エッセイ、そして日本独自の趣向として江戸川乱歩の「カー問答」が収録…
ジョン・ディクスン・カー「カー短編全集4:幽霊射手」3巻までは、カー生前に発行された短編集に収録された作品だったが、ここからはカー死後に発行されたカー研究家グリーン氏の編集によるレア作品集となる。第4巻と第5巻は"The Door to Doom"を2冊に…