テルミン(1993)(日本公開 2001)

ホームセンター等でレンタル流れのビデオの安売りを探すのが好きである。思いがけないお宝(私の場合、とほほ映画が主だが)が見つかる場合があるからだが。今回は、劇場公開時に見逃した「テルミン」を発見した。電子楽器の始祖でシンセサイザーを開発したモーグ博士にも影響をあたえた「テルミン」と言う楽器とその発明者テルミン博士についてのドキュメントである。この映画の作成時に、テルミン博士が生存していた事にまずびっくりしたが、正式なアメリカ在住の許可がでていたにもかかわらず、母国であるソ連へ拉致され、対外的には死亡したような情報が流され、実は盗聴器の開発をやらされていた、と言う話は、時代とはいえ恐ろしい。
他にもいくつか分かったことがあった。「地球の静止する日」という古典SF映画の傑作にテルミンが使用されていたと言うこと。となると、これと並ぶやはり古典SF映画の傑作「禁断の惑星」(1956)の電子音はテルミンなのか、それとも他の電子楽器なのか?
次に、ビーチ・ボーイズの「グッド・バイブレーション」にも使用されていると言うこと。私の記憶が正しければ、どの解説にも単に「電子楽器を使用」と書かれているのみで、漠然と私はシンセサイザーのことかと思っていたが、テルミンだったとは・・・・
最後に、ジェリー・ルイスというジム・キャリーの芸風の先輩格にあたる喜劇俳優がいるが(ディーン・マーチンとの底抜けシリーズはテレビでよく見たものだ)彼が映画の中でテルミンの音に合わせて、お得意の顔芸を披露する場面があり、この映画は知らなかった。
ちなみに、底抜けシリーズの吹き替えの定番は、ジェリー・ルイスが初代マスオさんの近石真介ディーン・マーチン羽佐間道夫だったが、一作だけ「底抜け西部へゆく」のみが愛川欽也広川太一郎だった。芸達者のお二人はファンであるが、やはりここは、近石、羽佐間コンビで見たかった、と思った思い出がある。愛川欽也はやっぱりジャック・レモンでしょう。となると、広川太一郎トニー・カーチスで「お熱いのがお好き」となる。吹き替えでまた見たいのもだ。