ワーグナー「ジークフリート」

クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1956)
前回聴き比べのために聴いた、第3幕第3場の直前まで聴く。
ライトモチーフもだんだん覚えてきたので、前よりはすんなり聴ける、と言いたいところだが、やはり長い!
今回気づいたのは、ジークフリートが父の形見の折れた刀「ノートゥング」を鍛えなおす場面で、Dm C B♭ A のコード進行があり、ちょっとびっくりした。
わかりやすいようにイ短調に移行して表現すると、Am G F E という、ロックではベタなほどおなじみのコード進行なのであるが(グランド・ファンク・レイルロードの「ハート・ブレイカー」とかね)クラシックで耳にしたのは初めてかもしれない。
直接的な理由ではないだろうが、クラシックには一応「平行五度の禁止」というのがある。
わかりやすく言うと、ロックのギターリフ(例えばスモーク・オン・ザウォーター)等は、全面禁止なわけだ(笑)
で、Am G F E っていうのは、旋律線の工夫で「平行五度」にならないようにはできるけれども、イメージとしては「平行五度」なので、クラシックではほとんど使われた事がないはずなのだ。
ワーグナーは「トリスタンとイゾルデ」で「現代音楽」への道をひらいた、といわれているけれども、こっちのほうは指摘した人はいたのかな?