ブーレーズのバルトーク代表2曲

バルトーク
管弦楽のための協奏曲(1992)
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(1994)
ブーレーズ指揮 シカゴ交響楽団
ブーレーズバルトークBOXであるが、バルトークの作曲順に聴こうかとも思ったが、とりあえず、耳に馴染みのあるこの2曲、そして「青ひげ公の城」その後から作曲順に聴く事にした。
さて、通俗臭が鼻に付くと以前書いた「管弦楽のための協奏曲」をブーレーズがどう料理するのか、と聴き始めたのだが、なんか初めて聴くような曲に聴こえる。これは、いったいどういう事か、と注意して聴いてゆくと、楽器やそのフレーズが、舞台上の芝居の登場人物のように聴こえるのだ。それを演出家ブーレーズが完璧にコントロールしている。
そういえば、バルトークの出世作は、バレエ音楽である「かかし王子」であり、パントマイム付随音楽の「中国の不思議な役人」であった。ブーレーズはこの「管弦楽のための協奏曲」を演劇性のある音楽としてアプローチしたのだ。結果的に、この曲の通俗性が「演劇」というものが本来持っている通俗性と相殺して、通俗性が鼻につかない、という結果になった。これは凄い事だ。先日ライナー盤が別格の名盤と書いたが、個人的にはブーレーズをとる。
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」はうって変わって純粋音楽としてのアプローチで、やはりブーレーズがその曲の本質を見抜いての演奏だということがよくわかる。
いや、こういう指揮者がブルックナーを指揮したらどうなるんだろう。と、思ったら、なんと8番のみ録音がある。4番や7番ではなく8番のみ!凄い!
ちなみにDG時代のブーレーズの評価が分かれているらしい、と書いたが、けなしている人もバルトークは評価しているようだ。一安心。