光瀬龍「銹た銀河」

光瀬龍「銹た銀河」(1987)
「派遣軍還る」(SFマガジン版)と同様、萩尾望都が表紙のこの作品は、寡聞ながら全く知らなかった。SFマガジンに1980年から1981にかけて連載されていたものを全面的に再構成して出版されたもの。たぶん本格SFとしては光瀬龍最後の作品であろう。
それだけに集大成の感もあるが、すべての謎が解ける最終章の展開は、さんざんSFを読んできた私にとっても驚天動地であった。

コチシュのバルトーク管弦楽

バルトーク
管弦楽のための協奏曲(2002)
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(2008)
ゾルターン・コチシュ指揮 ハンガリー国立フィルハーモニー
バルトークのピアノ曲を聴くために知ったコチシュであるが、デジュ・ランキ、アンドラード・シフとのハンガリー三大若手ピアニストの時代を経て、作曲家や指揮者としても活躍していることを知った。
常々私は「管弦楽のための協奏曲」の通俗性が嫌いだ、と書いてきたが、この演奏は、通俗性が通俗性のまま、嫌な感じを与えない音作りになっている。時間的にはさほどではないが、速めに聴こえる推進力のある演奏で、そこらへんが原因なのだろうか。
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」も推進力のある演奏で、ヴァイオリン両翼配置なので、ヴァイオリンの掛け合いも良くわかる。
これは、他のコチシュ指揮のバルトークも聴きたくなる。