リザード(LIZARD)

確かにボーカルは歴代一クリムゾンに合っていないかもしれない。確かに歴代のクリムゾンのアルバムの中では浮いた存在であるかもしれない。確かに試行錯誤の実験的作品(やぶれかぶれか?)も知れない。
しかし、アナログA面における、曲を破壊しかねないフリーインプロヴィゼーションの導入は大変意義があるし、聴き応え充分といえる。ベースもわざと根音はずしたりリズムはずしたり。
キースティペットグループの全面的な協力は、この1970年という年をかんがみると興味深い。さまざまなサイトで触れられているが、ソフト・マシーンがやはりキースティペットグループのホーンセクションの全面協力のもと、傑作「Ⅲ」をリリースしたのも、キースティペットグループ自身の1stアルバムも、この年なのである。(クリムゾンファンはカンタベリー系を聴くのだろうか?聴かず嫌いの人は即「Ⅲ」を聴くべし)
そして、アナログB面ではうって代わって、哀愁漂う管楽器ソロが続く「ボレロ」があり次作「アイランズ」の世界へつながっていく。