KING CRIMSON Lizard 1970

プログレ界の大御所キング・クリムゾンであるが、アナログ片面1曲とか組曲とかは以外に少なく、私の認識している限り、この「リザード」のアナログB面を使い切った、組曲「リザード」のみであろう。
1曲目はゲストのジョン・アンダーソン(YES)のボーカルが涼やかな「ルーパート王子のめざめ」(余談だが、劇場版「ガンダムⅢ・めぐりあい宇宙編」の挿入歌(作・井上大輔)はこの曲のパクリである。あまりに堂々としているし、出来もいいので許してしまう)2曲目は管楽器が哀愁のソロを紡ぐ「ピーコック物語のボレロ」3曲目は静かなボーカルの導入部に続き、激しいブラスユニゾンに、さまざまな楽器がフリーキーに絡む部分、そして、変拍子の心臓の鼓動のようなリズムセクションにフリップのサスティンギターが乗って終焉する「戦場のガラスの涙」4曲目はメリーゴーラウンドミュージックのテープ回転を早めていき終わる「ビッグ・トップ 」。
さて、この3曲目であるが、方法論がソフト・マシーンの3rdあたりに酷似しているような気がする。アナログA面2,3曲目も、ボーカル曲のバッキングがほぼフリージャズ状態だった事を考えると、このアルバムはクリムゾン流ジャズロックアルバムなのであった。
クリムゾン史上たぶん最も人気の無いアルバムであろうが、上記のような意味で再評価してもいいのでは?