歌舞伎(と声明)の話

昨日、NHK教育市川海老蔵襲名披露をやっていた(まだ全部見ていないが)思えば、歌舞伎に興味をもったのは、今の団十郎襲名前で、「三人吉三」を台本として読んだのがきっかけだった。多分にもれず、洋楽を好んで聞く若者としては、邦楽や日本文化にはあえて興味を持っていなかったが「三人吉三」をよんで、これはすごいのでは?と思ったのだ。江戸時代の丸1日かかる通し狂言の長大な台本で、3つの話が並行し、絡み合いながら最後のクライマックスに統合されるのである。
当時民族音楽にも興味を持ちだし、西洋音楽一辺倒の頭もやわらかくなってきた頃だったので、一気に歌舞伎、邦楽に好んで接するようになった。ちなみに一番好きな歌舞伎は「助六」である。いつか新海老蔵で見たいものだ。
邦楽の重要なジャンルに仏教の「声明」がある。平安時代ぐらいになると、洗練されてきて美しいのだが、奈良時代あたりだと、未だ民族音楽的なパワーが潜んでいてなかなか面白い。例えば、お水取りで有名な修ニ会(しゅにえ)など。
現在の海老蔵菊之助松緑の若手3羽ガラスは確実に親の世代を超えそうで楽しみなのだが、条件は思い上がらない事だ。そのへんどうなんだろう。