高橋克彦さんの話

唐突に高橋克彦氏を知らない人のために紹介文を書く。
といっても、幅広いジャンルでかなりの作品があるので大変な作業である。
そもそも、彼のデビューは1983年江戸川乱歩賞作「写楽殺人事件」である。(本当は作家としてのデビュー前に、浮世絵研究家として「浮世絵観賞事典」がある)
その流れで、浮世絵をテーマとしたミステリーシリーズがある。
また「総門谷」シリーズ、「竜の柩」シリーズ「星封陣」などの伝奇的なSF
「悪魔のトリル」「ドールズ」シリーズなどのホラー
直木賞受賞の「緋い記憶」を始めとする「記憶」シリーズ、これはどういうジャンル分けをしてよいのか?ホラーの1分野なのだろうが
あと塔馬双太郎とその仲間が活躍するミステリーシリーズ「パンドラケース」「南朝迷路」等など
大河ドラマにもなった「炎立つ」「時宗」を始めとする歴史小説
娯楽時代劇の「舫鬼九郎」シリーズ、私的なエッセイ「玉子魔人」シリーズ
オカルティックなエッセイ「書斎からの空飛ぶ円盤」「黄昏綺談」
浮世絵の紹介本「浮世絵探検」「浮世絵ワンダーランド」
オカルティックな対談本「1999年」「見た!世紀末」
陰陽師を主人公とする「鬼」「白妖鬼」等「鬼」シリーズ
まだまだある。ざっと書いただけでも大変だ。
さて、最初に読む高橋克彦としてのお奨めだが、ミステリーが好きなら「写楽殺人事件」3部作
SFが好きなら、「竜の柩」シリーズ「星封陣」といったところか、特に「竜の柩」シリーズ「星封陣」は是非万人に読んで欲しい。
「竜の柩」は日本をはじめ世界中の宗教、神話から古代の真実(?)を解き明かす労作でネタばれになるので詳しく書かないが、大変な作品だ。
そもそも私も「写楽殺人事件」3部作から高橋先生を読んだのだが、その3作目で「あれ?この人はなんか他の人とちがうぞ」と思い始めた。ミステリーの筋に関係がないから書くが、平気で、死んだ人がまた現れる話をミステリーで書いているのである。その姿は夫(死んだ人はその妻)にしか見えないのだが、それで、一気にはまったわけだ。
明日は、こんなに長くならないが井沢元彦さんについて