A(1980)

JETHRO TULL
さて、タルが続くが、持ってるCDを順番に聞いているのでしかたがない。(そのわりにマイフェイバリット「パッション・プレイ」については書いてない・・・)これは、イアン・アンダーソンが当初ソロとして録音を始めたが、レコード会社の圧力で、タル名義になったもの。もう旧メンバーはギターのマーティン・バレ(最近バーと言う表記が出ているが、なれないのでバレで通す)のみになり、ゲストで(あの)エディ・ジョブスンが参加。彼のキーボードとバイオリンをフューチャーしたいわゆるエレクトリック路線の作品。
ちまたでは、このアルバムは駄作扱いである。タルにシンセサイザー等は似合わないという事だが、それよりも、どんな音楽的な外面を付け加えても、微塵の揺るぎも無いイアンの音楽性の方がみごとだ。だいたい、世間で言われているタルの「トラッド路線」とか「エレクトリック路線」とか「ハードエッジ路線」という言い方は、かなりのタルのファンが、区別をつけるために言っているのであって、実際にそんなに大幅に音楽性が変わっているわけでないので、ファンで無い方は勘違いしないように。で「A」であるが、全然悪くないと思う。(私がプログレ好きだからだろうが)
また、この直前がタルの「黄金期」という言い方が一般的ではあるが、確かにこの時期のリズム隊はすばらしい。ジョン・グラスコックは「カルメン」時代からファンである。だからといってその前のリズム隊が悪かったわけでは全然無い。それは「パッション・プレイ」の複雑な変拍子の曲を聴いてもらえばわかるし、この時期のベーシスト「ジェフリー・ハモンド−ハモンド」のユーモアのセンスが果たした役割は多大なものがあると思う。だからどうしても、当時のアルバムに愛着があるのだった。