子供の頃に読む江戸川乱歩

江戸川乱歩全集の最新刊の解説を久世光彦(作家)が書いているが、「乱歩を感覚的に受け入れると言う点では、子供の方が大人より優っているのではなかろうか」と書いている。同感である。子供の頃、講談社の箱入り全集を何冊か買ったが(子供なので全巻は買えない)「黄金仮面」を読んではわくわくし、「赤い部屋」でうなり、「屋根裏の散歩者」「人間椅子」でどきどきしたあの感覚は、現在光文社の全集で読み返しても戻ってはこない(逆に、少年探偵団シリーズの方が、当時はバカにしていたが、今は面白く感じる)