本棚探偵の冒険 双葉文庫

喜国 雅彦
昨日、ラーメン屋で読んだ週刊誌に書評が載っていて、気になったので買ってみた。漫画家、ミステリーマニア、古本マニアである著者のエッセイ集であるが、ミステリーも古本も好きな私ではあるが、さすがにマニアの世界はコアなのだなとわかる。中で、角川の横溝正史文庫の表紙についてのくだりがあり、自分の気に入った表紙に順位をつけているが、3位に「真珠郎」がはいっている。順位はどうあれ、この耽美的なカバーを評価する人がいて私はうれしかった。現在このカバーの「真珠郎」は手に入らない。少し前に再発売したものを購入したが、扶桑社からなので、カバーが違っていたのでがっかりしたものだ。同じ作品なのに、中身まで違った印象になってしまうのは不思議だ。
彼の場合ミステリーだが、SFの世界にもマニアはきっといるに違いない。東京高島平在住の折、古本市にいったら、シマックのサンリオSF文庫が数千円の値段がついていた。さすがに買わなかったが、買う人がいるからこの値段がつくのだろう。ディックは創元で出しなおしが進んでいるが(時間はかかってる)シマックだとたぶんどこも出さないだろうな。っていうかデューンを復刻してくれ、ディレイニーの「プリズマティカ」(「エンパイア・スター」を収録)は文庫にならんのか?