お伽噺(1977)

ルネッサンス
前作の後、ライブアルバムをはさんで本作になるが、ライブはまだ届かない。正直、前作で勝手に頂点と決め付けていたため、そのあとは他のプログレと同じように、ポップス化してゆくのかと思っていたが、とんでもなかった。本当の頂点はこっちにあったのだ!オーケストラやボーカルの対比ではなく、渾然一体となった完成品だ!ジャケットや曲名から勝手に中世がモチーフかと想像するが、その中世的な哀愁がただものではない。はっきり言って、このアルバムはファンの間でも好みが分かれているらしいが、わたしは、これが最高傑作と言いたい。アナログA面は2曲だが、メドレーでつながり、曲調も関連性があるので、1曲と見て良いが、それこそあっという間に過ぎてゆく。キーボードはアルバムを経るにしたがって、ピアノ中心からバラエティに富むようになってきているが、さらに音色が増えてきている。これまで、作曲とアコギのリズムカットで、裏方的だったダンフォードのアコギが珍しく前面に出ているのも好ましい。