Storia Di Un Minuto(1971)

Premiata Forneria Marconi(PFM)
さて、PFMの1枚目である。これは世界デビュー盤にくらべて、やりたいことをとりあえずやっていると言う感じが、私は好きである。2曲目(というか、短い1曲目は前奏的なのでほとんどひとつの曲。このアルバムは、間断なく次曲につながる部分が多く、長いひとつの曲としても聴ける)は、のち世界デビュー第2弾「甦る世界」の原曲であるが、「甦る世界」は若干効果をねらったあざとさが感じられる。よく言えば洗練されているのだが。かの有名なサビメロ(ライブのセレブレイションのエンディングに付加したのは卓見)の繰り返しで終わる「甦る世界」に対して、こちらは、別のメジャーパッセージの繰り返しで終わる。この曲は、クリムゾン(1st、2nd)の影響が大だが、メロディセンスやアレンジセンスに、絶対的なオリジナリティがあるので、決してパクリ的な印象はない。イギリスのプログレに比して、軽やかさ、華やかさと泥臭さが同居するというちょっと矛盾した部分が、イタリアンプログレにはあって、それがなんとも魅力だ。セレブレイションの原曲も、生ピアノから始まってちょっとびっくり。英語盤はいかにもシングルヒットをねらったアレンジだが、こちらは、プログレアルバムの中の1曲としてのアレンジ。総合的にみて、ライブ盤のクックのバージョンを私はとるが、次は、このイタリア盤。
T.A.T.U(いまや死語か)もそうだったが、英語圏にあわせた世界盤より、原語盤の方が素朴さ、荒々しさ、アイデンティに優っていて私は好きである。
いよいよ2枚目は、先日書いた世界デビュー盤「Photos Of Ghosts」の原曲がいっぱい収録されているので、じっくり聴き比べねば。