Waterloo Lily(1972)

CARAVAN
デイブ・シンクレアがマッチング・モール結成のため脱退(でも、すぐ戻ってくる)彼のオルガンに替わったもっとジャージーなスティーブ・ミラー(あのギタリストではない)のエレピ・生ピアノのせいもあろうが、あきらかにジャズ色が強くなった。前作では引っ込んでいたギターのパイ・ヘイスティングスもがんばっている。そういえば、このバンドのもうひとつの面である、叙情的でアコースティックなポップスは、どうも彼の趣味のようだ。キャラヴァンは、このあとメンバー交代を繰り返し最後に彼のソロプロジェクトの様相を呈するらしいが、もしかして、彼の趣味についていけなくなってみんな抜けてゆくのか?とはちょっとうがった見方(でも、この後リチャード・シンクレアは、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース結成のために抜けるし・・・)ジャズロックの方を聴くと、このバンドがソフト・マシーンと並んで、カンタベリージャズロックの両輪だったのだなあと実感する(ほんとに見事、エレピのせいで、初期ウェザーを彷彿とさせる部分もある)前にも言ったが、ポップスとジャズロックと、分けて欲しかったなあ。でもそうすると、この魅力はでないのかなあ。今回はストリングスで始まるキャメル真っ青の抒情派ロックが大ジャズロックになる展開があったりするし。