For Girls Who Grow Plump In The Night(1973)

CARAVAN
デイブ・シンクレアが復帰、リチャード・シンクレアが脱退、あらたにベースとヴィオラを加えた5th。ちなみにこのタイトル(邦題「夜ごと太る女のために」)って意味がよくわからない。前作の内ジャケにもそれらしいイラストがあるので、パイの趣味なんだろうか?
ほぼ全曲をパイが作曲、完全に主導権を握って、ジャズロック色はかなり後退した。1曲目のハードエッジなギターリフにちょっとびっくり。これがあのキャラヴァン?前々作と同じバンドとはちょっと思えない。その後もギターとヴィオラ中心の曲が続き、デイブのキーボードはいくつか聞かせどころはあるもののかなり目立たない。おなじみのパイの牧歌的趣味をはさんで、ラストはドラマティックなシンフォニックロック、まるでキャメルかルネッサンスのよう(ただし、キャメルの方が後発)
完成度は大変高く、前々作と初期の最高傑作の評価を2分しているが、結局はその人の好みではないかと思う。カンタベリージャズロックが好きなら前々作、もっと一般的なプログレとして評価するならこの作品というところか。個人的には、初めにこれを聞いたら良質でポップなプログレとして気に入ったかもしれないが(というか気に入っているのだが)やはり前々作を先に聴いてしまっているので前々作をとりたい。キャラヴァンは次のライブで一段落つける。