Desperate Straights(1975)

SLAPP HAPPY/HENRY COW
スラップ・ハッピーの3rdは前衛バンド、ヘンリー・カウとの連名で発表。この後ヘンリー・カウと合体して「In Praise Of Learning」を発表後、アンソニーとピーターが脱退、再結成を除くと実質のラストアルバム。ダグマーは「In Praise Of Learning」で聴かれる地声を強調した歌い方を何曲かで披露している。曲はほとんどがピーター、アンソニーの曲で、比較的短い曲が畳み掛けるように続き、一幕の音楽劇を見ているような印象。前作のノスタルジックな軽やかさは若干影を潜めたが、メロディや構成が凝っていて、聴き応えのある内容。のちに「キュー・ローン」を発表するジョン・グリーブスとピーターの共作は、それこそ「キュー・ローン」的。ラストは、フレッド・フリスとアンソニーの手による、いかにも両バンドの特徴をあわせたような静寂の前衛音楽、この曲だけ8分強あるが、このアルバムのエンディングを飾るのにふさわしい。思えば1stと幻の2nd「Acnalbasac Noom」のバックは、やはり前衛バンドの「ファウスト」だった。やっぱり「Acnalbasac Noom」を聴きたいなあ。
さて、スラップ・ハッピーのファンはたぶん「カサブランカ・ムーン」的な世界が好きな人と、1stや3rdの世界が好きな人に分かれるような気がする。どっちが多いのだろう?