一触即発(1974)

四人囃子
実は森園勝敏さんと会ったことがある。高校時代だと思うが、埼玉は川越のスタジオ付きのレコード屋に講演みたいな形で来ていたときに、話を聴いてサインももらったような記憶がある。それはさておき。
昔は、日本のバンドには複雑な思いがあった。自分がこれからミュージシャンになるんだぞと言う意気込みから、いい日本のバンドを聴くと、くやしさ半分であら捜しをしたりしたもので(若いって恥ずかしい)四人囃子も、フロイドじゃんとか、歌がちょっと、とかなんじゃこの歌詞などと思ったものであるが、今聴くとこの時代でこの完成度の高さは舌を巻く。先達のプログレやハードロックの影響も、目くじらをたてるより、良くここまで吸収してオリジナルとして再現した!と感心するべきだろう。展開やアレンジ(例えばタイトル曲の第1テーマが最後に反復される時、キーボードのアレンジを変えるところ)が絶妙にプログレやハードロックが好きな人間のツボを刺激する。歌詞も今聴くとシュールだし、曲に良くあっている。そういえばタイトル曲の「だって俺は」の「だ」にエコーがかかるところ、みんなで「だ、だ、だ・・・」と歌ってまねしたものだ。懐かしい。また、全メンバーのテクもすごい。特にベーシストなのでベースを聴くのだが(やはり当時は反撥心があったが)今は素直にいいセンスのベースを弾いていたと認められる。