Sex And Religion(1993)

Vai
「ヴァイ」というバンド名義の作品である。つくづく思うに、もしかして私は「FLEX-ABLE LEFTOVERS」を聴くべきではなかったのかもしれない。聴かなければ「Passion and Warfare」も、この作品も、もっと素直に聴けたかもしれない。「FLEX-ABLE LEFTOVERS」のザッパ後継者たる変態全開の曲を聴くと、どんなにいいものを聴いても物足りなく感じてしまう。しかし、(ザッパの悩みでもあったが)あんなアルバムばかり作っていてはセールス的には苦しい。しょうがないのか。
このアルバムは大変美しいヘビメタで、そういう意味では充分すばらしいアルバムであると思う。ただし、バカテクコンビ、ボジオとTMスティーブンスの起用は必要だったのか疑問が残る。前作までのリズム隊も大概テクニシャンだったし、ボジオとTMスティーブンスなら、もっと変態変拍子を期待してしまう。何よりも彼らならではのグルーヴ感が無い(前作までと変わらないなら、前作までのリズム隊で足りるであろう)ちなみにTMスティーブンスは不勉強で知らなかったが、けっこういい年のフュージョン畑の人らしい(空耳:尼、僧侶=I'm a Zulu の人)
救いは(私にとっての、だが)インド音楽丸出しの曲や、ザッパ的プログレ的変態性が垣間見えるラストの大曲2曲だ。