RETURN TO FANTASY(1975)

URIAH HEEP
ユーライア・ヒープが紙ジャケ再発しているが、輸入盤が(紙ジャケでは無い)お安く手に入るので何枚か入手した。アナログ時代は「対自核」とこの「幻想への回帰」のみ手元にあったがCDは買いそびれて1枚も無かったのだ。なぜこれを持っていたかというと、ベースがジョン・ウェットンだからである。ベーシストにはいろいろタイプがあって、8ビートであったら、8分音符を均等な音量で弾く人も入れば、彼の様にかなりアタック音の強弱をつける人も入る。さらに彼は前打音的な音を頭近くまで引っ張り本当の頭の音は若干もたり気味だったりする。そこらへん、ビル・ブラッフォードあたりと組むと、その微妙な緊張感がたまらんのであるが。
で、何が言いたいかというと。このアルバムは、それまでのヒープらしからぬ、重たいリズムのファンキーなロックンロールが何曲か入っているが、それがジョンのベースが実に良くはまるのである。2曲めのイントロなど涙ものである。しかし、それまでのヒープっぽい曲には、どうも収まりが悪い。御得意の早いおかずも、無駄に聴こえるほどマッチしていない。ボーナストラックとして収録されている何曲かのデモトラックは前任のゲイリー・セインが弾いている為、聴き比べるとよく分かる。しかし、そこらへんもいい緊張感なのかもしれないが。しかし、ベース一人でこれだけイメージが変わるのだ。もちろんそれだけジョンの個性が強いということなんだけどね。とにもかくにも、ジョンのファンは、ジョンのベースが聴けてうれしいアルバム。