奇談(2005)

監督・脚本:小松隆志 原作:諸星大二郎
一時期諸星大二郎の作品が入手しづらい時期があった。手元には大判の自選短編集や、孔子暗黒伝、その他の短編集があるのみであった。「妖怪ハンター」と「マッドメン」が久々に文庫化されたので購入。その時「妖怪ハンター」の中でも鮮烈な印象を残す「生命の木」が昨年映画化されたことを知った(あいかわらず遅い)
もともと、かなり短い話なだけに水増し感は否めない。付け加えられた「神隠し」のシチュエーションも特に必要とも効果的とも思えない。説明過多のセリフまわしやホラー的な演出にも違和感がある。ラストの主人公のモノローグも余計である。しかし、この作品を映画化したと言う事実は、確かに快挙であるとは言える。
PS.「グランセイザー」で、注目していた「ちすん」が出演していたが、彼女の魅力を生かしきれていなかったのが残念。
思えば、「鉄男」の塚本晋也が、「妖怪ハンター」をかなり大胆に脚色し、全くの「塚本ワールド」で「ヒルコ/妖怪ハンター」(1991)を作成したにも関わらず、作品としては、素晴らしい作品であった事を思い出す。