Jesse Davis(1970)

Jesse Ed Davis
以前も書いたが、生粋のインディアン(父はコマンチ、母はカイオア)として初めての著名なロック・ミュージシャンであるジェシ・エド・デイヴィスのこのアルバム、存在は知っていたがスワンプ・ロックと言うことで、今まで手を出さないでいた。今回は例のインディアン研究の一環(ってそんな大層なものではないが)で、急に興味が沸いてきて買ってしまう。
ゲストにエリック・クラプトン、レオン・ラッセル、また、ドラムにはアラン・ホワイトの名も見える。今でこそ「イエス」のドラマーだが、当時は売れっ子セッション・ミュージシャンで、ジョン・レノンのバックもよくつとめていたものだ。
さて、スワンプ・ロックである。全く今まで縁が無く、クラプトンのデレク&ドミノスでさえ「レイラ」以外ろくに聴きもしなかった私である。それが、なぜかこのアルバムを聴くと妙に懐かしい雰囲気を感じる。なぜかとよく考えてみると、実は"All Things Mast Pass"〜"Dark Horse"あたりのジョージ・ハリスンと実によく似た雰囲気を持っている。同時代と言うこともあろうが、クラプトンは共通の友人であるし、私が思った以上に実はジョージは、サザン・ロック、スワンプ・ロックの影響を受けていたのだろう。サザン・ロックもスワンプ・ロックも知らない私だったが、ジョージを通じて、既にそれらに触れていたことになる。
彼のボーカルは、人によってはかなり辛い点をつけているようだが、レオン・ラッセル系のダルダル・ボーカルで、ちっとも悪くは無い。辛い点をつける人は、単にこの手のボーカルに対する免疫がないだけだろうと思われる。
泥臭さとゆったり空間が同居し、適度にポップ、ある意味癒し系のアルバムである。