Jimi Hendrix

ジミヘンと言えば"in The West"(1972)(Jimi Hendrix in The West とも Hendrix in The West とも言う)というアルバムがあって、アナログ時代はよく聴いていた。死後に発売された、様々な時期と場所のライブの寄せ集めである。寄せ集めではあるが、その分「これぞジミヘンのライブ!」という演奏が集まっているために、大変重宝していた。しかし現在このアルバムは廃盤状態である。だからと言ってジミヘンのライブが発売されていないと言うわけではない。発売されていないどころか未発表音源がこれでもかと発売されている。ではなぜ"in The West"が廃盤状態かというと、寄せ集めの元音源が、それぞれフルで発売されてしまったからである。それはそれで、ファンにとっては嬉しいのだろうが、私はそこまでコアなファンではないので、やはりコンパクトに楽しめる"in The West"の再発を切望するのである。
あと文句がひとつ。ウッドストックの演奏は、現在フルでCDが発売されているが、この時のバンド「ジプシー・サンズ・アンド・レインボウズ」の編成はスリーピース+サイド・ギター+パーカッション2名で、彼がアフリカンリズムを意識した、ビッグバンド形式へ移行する思惑が反映されている。しかし、当時ジミ・ヘンをいつまでもスリー・ピースのスーパーギタリストとして売りたいというレコード会社の意向があったらしく、そのせいかどうかは知らないが、サイド・ギター、パーカッションの音量がほとんどオフである。結局このビッグバンド構想は実を結ばなかったわけだが、そっち方向にジミヘンが行ったら、どんなすごいことになったかと思うと、ウッドストック演奏を、演奏されたままのミキシングバランスで聴きたかった!!と思うのである。