モーツァルト「魔笛」

フリッチャイ指揮 RIAS交響楽団(1955)
前にも書いたが「魔笛」はクレンペラー盤を愛聴している(こちら
フリッチャイは、やはり峻厳なほどに丁寧に丁寧に音作りをする。私は大概の曲は「ここはこうすればいいのに」等とと思う性質(たち)であるが、フリッチャイはほとんどそういうことが無い。安心して聴いていられる。発病前だからテンポは速いはずだが、クレンペラー並に遅い部分もある。終曲前のモノスタノス、女王達の歌はクレンペラーより遅いくらいだ。モノラルだが音は抜群に良くモノラルと言うことはあまり気にならない。ただし、セリフを歌手以外の役者にやらせているのはいかがなものか。これなら、クレンペラーのように一切カットの方がいい。さて、クレンペラー盤との比較は難しい。ぎりぎりでクレンペラー盤に軍配をあげる。これは私の好みの世界であって、フリッチャイ盤がステレオなら万人に勧める演奏である。