帝国よりも大きくゆるやかに(1971)

アーシュラ・K・ル=グウィン
ゲド戦記」やエッセイ集等を読み進めていくと、昔読んだ彼女の作品もまた違った読み方が出来る。その分自分が成長したと言うことだろう。
短編集「風の十二方位」に収録されているこの作品は、今読むと、「ゲド戦記」と表裏一体のテーマを持つように感じるし、その後の彼女の主張の原点がここに現われていると個人的には思った。(その後ますます露わになる、植物への共感も)
他者を見ている、他者を感じているということは、実は自分自身を見、感じていることに他ならない。それを受け入れることで、第1歩が始まる。