スメタナ 交響詩「モルダウ」

フリッチャイ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1960)
新世界のカップリングで付いてきた演奏。イントロのフルートのパッセージがちょっと速すぎないかと思ったが、この早さだとまたこの曲の別の表情が見える。全体的に切なく厳しくドラマティックで、「モルダウ」がこんな側面を持った曲だったのかと目から鱗が落ちる思い。しかし、厳しすぎて本来のこの曲の流麗さが若干失われているのも事実。フルトヴェングラー ウィーンフィル(1951)との比較は難しく、その時の気分で聴く方を選ぶことになると思うが、厳しさの中に流麗さを失わないフルトヴェングラーを僅差で私の中のベストとしたい。