ブルックナー 交響曲第8番(ノバーク1版)

ティントナー指揮 アイルランド・ナショナル交響楽団(1996)
こちらも珍しいノバーク1版によるブル8。結論から先に言おう。インバルはノバーク1版とハース版、ノバーク2版との違いを明確に提示してくれた。しかし、ティントナーはノバーク1版が、ハース版、ノバーク2版に比しても、なんら遜色の無い感動を我々に与えてくれる音楽だということを提示してくれたのだ!
あいかわらずテンポは遅い。アダージョなどあの遅いクナより遅い。しかし、クナは遅すぎると感じるのにティントナーは遅すぎると感じないのだ!これこそ無為無作為の勝利である。ただただ、ブルックナーの響きに溺れさせてくれる。
以前、朝比奈盤がクナにせまったと書いたが(こちら)1版の使用に関わらず、ティントナーが割り込んできた感がある。もういちどちゃんと聞き比べて雌雄を決しなければ。